2013年01月24日

ゲーム脳ってありませんでしたっけ、後編

ゲーム脳の話から一転、近未来の兵士の話です。

ブラック・ラグーン 第1~2期 (北米版)
ブラック・ラグーン 第1~2期 (北米版)

◯傾向と対策
前編の内容をまとめると、20世紀末型のゲリラ戦法の怖さは、主に1つの要因によって成り立っています。
1.情報と流通の遮断による精神的圧力

これが全てです。
人間とはとかく弱い生き物。 情報が遮断されてお腹が減れば、判断も行動もすぐに不安定になってしまいます。
では、そういったゲリラの怖さに対する正規軍の対処方法はどんなものなのでしょうか。

世界の軍事でもっとも先をゆくのはアメリカです。近代化の果てに、宇宙要塞デススター(SF映画、スター・ウォーズに登場する宇宙要塞)の建造にかかる現実的なお値段の見積もりすら出せてしまえるのが彼らです。

そして、ゲリラ戦法と常に戦ってきたのもアメリカです。

最強だったはずのアメリカ軍が、南北朝戦争でにらみ合いに陥り、ベトナム戦争ではあえなく撤退。 キューバの共産化も許し、ついにゲリラ戦法の有効さを早い段階で認識したことによって、彼らが考えだしたのは、おそらく以下のような対策です。

彼らがまず行ったのは、最新技術によるインフラの構築です。
それは、世の中全体に情報の網の目を通すという構想でした。
たとえば、今貴方が見ているこのブログも、その1つです。
そう、インターネットこそが、ゲリラ戦法に対する回答の一つです。
ネットの発達により、戦場の悲惨さを国民が見ることが出来てしまう、というマイナス面もありますが、代わりに、それこそ指先1つで情報を操ることもできるようになります。
巨大で強力であるがゆえに遠い地でのゲリラ戦法に弱かったアメリカ軍は、この情報網の登場と浸透によって、精神的な不利な状態から、情報においてはイーブンな状態へと変わることができます。
具体的には、戦地にいる兵隊に母からの手紙を瞬時に送ったり、本国からの救援物資や作戦行動の詳細を適時知らせることができます。こうしたことで、兵士の精神的な圧力はだいぶ緩和されます。
また、限界に達してPTSDが発症するまえに、本国の精神科医によるカウンセリングを衛星通信を通して行い、暴走を事前に抑制することもできます。
さらに言えば、よほどの技術と根性がない限り、ゲリラ側もインターネットを使わなければホットな情報を得られなくなるため、その位置の特定や追尾は容易になります。



そして次に彼らが行ったのは、昔ながらのやり方でした。
傭兵 と呼ばれる者達を大量に使ったのです。

ゲリラ戦法の強いところは、縦社会である正規軍に対してこそ発揮されます。
上下に情報が行き来する組織の情報のルートを、横からカットしていくことで混乱と暴走を誘発する。
それがゲリラ戦法の真骨頂です。
しかし、何処の誰か分からない、警備員に毛の生えたような民間軍事企業の社員が相手ならどうでしょうか。
戦い慣れたゲリラも、米軍を相手にしているはずが、相手が東南アジアの山岳民族出身のPMCで、グルカナイフ片手にした平たい顔の戦士であったりしたら、かなり勝手が違うでしょう。
彼らは文字通り軍事に協力している民間人ですから、軍隊に対して行うように相対していたら、どちらかと言えばゲリラ軍の方が悪者にされてしまいます。
また、軍隊とは違って傭兵は柔軟性のある横組織で構成されている場合が多く、指揮者がいなくなろうと情報が遮断されようと、独自の勝手な判断で目標を達成しにいってくれるという強みがあります。
シッカリとした軍組織なら、その指揮系統の枝の根本さえすりつぶせば、そこから下の全ての戦力を消すことができますが、そもそも将軍がどこにいるかもわからない、そんな組織に相対しては従来のゲリラ戦術では対応し切れません。

これが現代の戦争のやり方、すなわち情報化と傭兵の使用です。




◯近未来の戦士達、それは地侍

情報化と傭兵使用 の次に来るものは、ゲリラ側の変質です。
彼らとて馬鹿ではありませんので、情報化と民間委託によって自分たちの戦術が通じなくなっていくことは理解して、その上で対策をうってくるでしょう。
それは、ゲリラ組織から傭兵組織への変質という形で現れると思います。
傭兵の強さというのは、そのフットワークの軽さと理念の無さです。
戦場でアメリカ軍が雇用する傭兵というのは、アメリカ軍自体と敵対する組織以外の、およそどんな人であっても良いわけです。
さらに民間企業である以上は、コストメリットなどを考慮して、管理しきれない仕事の二次受けや三次受けが発生します。
たとえばアニメのヨルムンガンドでも、イカれた低品質のPMCの中に現地人の通訳が混じっていて、それが実は他の組織とつながっている という描写がありました。
ゲリラの戦術にカウンターを仕掛けるには現役のゲリラが一番いいわけで、たとえば中国の退役軍人が役員の警備会社が、元SASの上司と大量のチンピラを雇って戦場で武器輸送な後方支援、時たまドンパチする なんてことが日常的に起き始めるとおもいます。

こうなると、現場はすぐにカオスです。
銃持ったゲリラ同士が戦い、旗色が悪くなりそうだとふんだら裏切り、密告、山賊化。
しかも出来る組織は出身がどこであれグングンと実力をつけて装備も充実していき、やがて傭兵同士で纏まったり裏でインサイダーしたり、アメーバのように膨れて正規の軍隊以上の戦闘集団と化して行きます。


かつて日本でも荘園の自警団が地侍となって、やがて鎌倉武士として台頭していきましたが、民間軍事企業もやがて軍事の世界で天下を取りに行くようになるのでは、なんて僕は予想しています。

しかし直近の、すなわち僕が生きている間には、世界はもう少し混沌とした感じになっていくんじゃないかと思います。
そして、その混沌で中心的な役割を担うのが、国籍などにとらわれない中小の傭兵組織なんじゃないか、とそのように僕は予想しています。



なにはともあれ、世界の軍事バランスが吊り合って、たまの土曜日ぐらいは徹夜でゲームしても殺伐としない、そんな平和な時代になるといいですね。


posted by これオタ講座 at 20:00| Comment(0) | オタクのニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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